2011年07月01日

【野原で見かけない蝶をみつけたとしよう】

野原で見かけないキレイな蝶をみつけたとしよう。

太郎は、ぜんぜん興味を持たなかった。(蝶はいなかったも同然だ。)

次郎は、「あれ?」と言って蝶をつかまえてみたが、なんだかわからないので捨てて帰った。それ以上の興味は持たなかった。(蝶はいなかったも同然だ。)

三郎は、蝶をつかまえて、人に「珍しいだろう」と見せたが、そうこうするうち蝶は死んでしまって、それきり興味をなくした。(蝶はいなかったも同然だ。)

四朗は、蝶をつかまえてきて家の図鑑で調べたが、見つからなかった。子ども用の図鑑だから載っていないのかなと思った。そうこうするうち蝶は死んでしまって、それきり興味をなくした。(蝶はいなかったも同然だ。)

五郎は、蝶をつかまえてきて家の図鑑で調べたが、見つからなかった。図書館の大きな図鑑でも調べたが見つからなかった。そうこうするうち蝶は死んでしまって、それきり興味をなくした。(蝶はいなかったも同然だ。)

六郎は、蝶をつかまえてきて家の図鑑で調べたが、見つからなかった。図書館の大きな図鑑でも調べたが見つからなかった。そうこうするうち蝶は死んでしまったが、写真をとってネットで「この蝶が何なのかわかる人はいませんか。新種でしょうか」と聞いてみた。誰も知らないようだった。それきり興味をなくした。(結局、蝶はいなかったも同然だ。)

七郎は、蝶をつかまえてきて図鑑で調べたが、見つからなかった。図書館の大きな図鑑でも調べたが見つからなかった。そうこうするうち蝶は死んでしまったが、写真をとって、ネットで「この蝶が何なのかわかる人はいませんか。新種でしょうか」と聞いてみた。誰も知らないようだった。そこで、「この蝶が新種かどうかを確かめるにはどうしたらいいでしょう」と親や学校の先生に聞いてみたが、有効な助言ができる人は七郎の周囲にいなかった。手だてがないまま、それきり興味をなくした。(結局、蝶はいなかったも同然だ。)

大事なのはいつだってここからなのだ。
手だてがないと思えるここからなのだ。

さて、あと何人分書けば蝶は「いた」になるのか。

蝶「めんどくさいんだねぇ。」
 

 *  *  * 

蝶「ここからは目立たないように、追記にしたほうがいいよ。あんた。これはパクリだよ。」

え、何がパクリ?

蝶「歌の文句。どれだけ歩いたら人になれるの、みたいな問いかけ。」

うわあ、たしかに。

誰も知らない「いないも同然」の蝶が、この続きのどこかで「いたも同然」になり、ついには確かに「いた」ことになる。
そういう世界把握をし、誰も答えられないゴールを問いかける。
当然、「答えは風の中」になる。

そこに至って苦し紛れに思い浮かべそうなことは知れている。
「では、人はどうだ」とか考えるはずだ、私は。

そして、こう書くのだ、きっと。

どの人までが「いなかったも同然」で、どこかから「いたも同然」になり、最後に、確かに「いた」になるためには、何匹の蝶が必要か。

そういうふうに、問いかけ続けるという形で行きどまる私は、何人目なのか?

posted by tyouseki at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ひまつぶメモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。