2012年03月06日

【ワン鍋賞 寄り道、保健室、ほか】

闇鍋検索をしばらくお休みしていましたが、最近またデータが増えました。
そこで、新しく取得した歌句の中から、用例の少なそうな語句を拾って検索したところ、以下のとおり鍋賞がごっそり出てきました。
あたりまえだけど、闇鍋収録の数万歌句程度では使い切れないほど、コトバはいっぱいあるってことですね。
ただ、日常よく使う語彙でも使われていないことがある、という現象は、安易に説明してしまわずに、よく検証してみる必要があると思っています。ああ、もっとデータを増やさなくては。
※今回は、新しく取得した歌句から検索語句を選んだので、同じ作者の作品が多く含まれます。

【本日の闇鍋データ総数77319】
短歌45640、俳句20790、川柳10532 その他は少し
およその構成比 短歌9:俳句4:川柳2

【ワン鍋賞】
 闇鍋77139歌句のなかで以下の語を含むのはたった1つ。

■よりみち(寄道、寄り道含む)
よみよりのよりみちにおふふきのとう 丑丸敬史(俳)
■保健室
保健室で想いの丈を測ったら先月よりも縮んでいたよ  久保芳美(短)
■害虫
コンビニのサラダ食べてる荒んだ眼 前世はたぶん害虫でした 榎田純子(短)
■着古し「着古し」(「着古」「着ふる」で検索)
大仰に春ざわざわと訪れる着古したシャツ新しい部屋 榎田純子(短)
■老婆心
老婆心のやうに厠の冬日向 仁平勝(俳)
■インスタント(2首あるが同一作者のため準ワン鍋)
コーヒーはインスタントの家でした 余所【よそ】で覚えて苦みを増して 榎田純子(短)
切実でそのくせ浅い悩み事 飲み干してきたインスタントで 榎田純子(短)
■エイプリルフール
エイプリルフールのドアの覗き穴 西原天気(俳)
※ただし「四月馬鹿」は11ある。(短歌1、俳句10、川柳0)
■股関節
ローテーションから外される股関節 浪越靖政(川)
■愉快犯
交差点ふたりにひとり愉快犯 浪越靖政(川)
■売り言葉(売言葉などの他の表記も含めた)
売りことば希釈倍数間違えて 浪越靖政(川)
※なお「買い言葉」を詠んだ歌句はない。

【ニャン鍋】
 闇鍋77139歌句のなかで以下の語を含むのはたった2つ。
■王将
鹿より逃れ王将四条大宮店 山田耕司(俳)
目にせまる一山の雨直なれば父は王将を動かしはじむ 坂井修一(短)
■御不浄
御不浄の深さの春を跨ぎけり 山田耕司(俳)
ゴツンあらごめんあそばせ誤植めくご婦人だらけ五月のご不浄 高柳蕗子(短)
※ただし、トイレ39、便所16など、他の言い方ならけっこうある。
■カタルシス
はなびえへざびえるかへるかたるしす 丑丸敬史(俳)
辞典ではカタルの後にカタルシス ポルノの後にホルマリンです 本多忠義(短)
■無声映画
秋雨は無声映画のやうに降る 仁平勝(俳)
昼顔よ無声映画に降る雪よ 山田耕司(俳)
■加担
夏雲の小さき方に加担せり 仁平勝(俳)
テロリズムに加担するか文明の側に立つか問う単純のすでに仮借なく 近藤芳美(短)
■「たんこぶ」
知らぬまにたんこぶのある春の暮 仁平勝(俳)
着メロは着信メロン(ごろごろ)着タンは着信たんこぶ(ぼこぼこ) 鈴木有機(短)
■葛切
葛切の蜜がどうのと京男 仁平勝(俳)
繻子の胸ひらきて道化がつかみ出す葛切りのやうにながきたましひ 井辻朱美(短)
■フリース
指先が冷えては困る 靴下はフリース素材ぶかぶか素材 榎田純子(短)
緩急を自在につけて恋文をつづるフリース姿の老師 笹井宏之(短)
■風邪薬(カゼ薬など他の表記も含む)
分銅と釣り合つてゐる風邪薬 西原天気(俳)
石仏の頭に置いた風邪薬 山本忠次郎(川)
■潜水服
白南風や潜水服のなかに人 西原天気(俳)
駆けつけて屋根で煙突譲り合う消防服潜水服宇宙服 高柳蕗子(短)
※ただし「潜水」なら「潜水艦」など22の用例あり
■平熱
平熱は割と高めでありますが温度の低いヒトでありたい 久保芳美(短)
微熱なのかこれが平熱になったのかきめて、札幌からきたトラック 雪舟えま(短)
■へんてこ(準ニャン)
変梃なわたしの躰の徳利に酒はとぷとぷ満ちてゆきます 久保芳美(短)
へんてこな所にいてもゆるされるなんてしってた?マイ・トイカメラ 杉山モナミ(短)
へんてこな家でなが生き 入りづらいおふろで恋 時空を消す 杉山モナミ(短)
■おしくらまんじゅう
口論は苦手押しくら饅頭で来い 大石悦子(俳)
忘れないおしくらまんじゅう遊星団 田島健一(俳)

まあ今日はこのぐらいにしておこう。
posted by tyouseki at 19:41 | TrackBack(0) | 短歌俳句川柳データベース闇鍋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月01日

闇鍋検索 ぺたん他

■何の気なしに「ぺたん」などをを検索したら、次の歌句が見つかりました。

【ニャン鍋賞 ぺたん】
ひとりぺたんとこの世に残され何とせうひいといふほど椿が落ちる 河野裕子〈ひいに傍点〉(短歌)
木犀の庭をぺたんとはりつける 畑美樹(川柳)

【ぺたん系】
叱られた子供の気分夏空になぐり描きするぺったんこの雲 本多忠義(短歌)
まっさきにぺちゃんこになる副葬品 樋口由紀子(川柳)
(ぺしゃん、ぺしゃんこ、ぺたんこ、ぺっちゃんこ ナシ)

【べたん系】
のり弁に海苔べったりと貼られありインディペンデンスデイ【独立記念日】の夕餉 加藤治郎(短歌)
かきつばたべたりと鳶のたれてける 与謝蕪村(俳句)
(べたん、べったん、べちゃ ナシ)

■その他
これまた何の気なしに「芳香剤」を検索したらこれひとつでした。

【ワン鍋賞 芳香剤】
爪ほどに小さくなった紫の芳香剤を夜明けに捨てる 本多忠義(短歌)

本日の闇鍋 総数75903
短歌45043、俳句19982、川柳10521 他

2012年01月27日

出版文化賞、そして演劇も 『あけもどろの空』

■沖縄タイムスの出版文化賞授賞式に行って来ました。

『あけもどろの空 ちびっこヨキの沖縄戦』は、児童文学部門で受賞。

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-01-25_28939/

この本の著者高柳杉子は、沖縄出身で、私の義理のいとこにあたります。
私の叔母美知子といっしょに沖縄戦の本を出版しようとして資料を集め、メモをとるなどしていましたが、癌のために44歳という若さで他界。
美知子が発起人となって、私が編集、叔父がイラスト、杉子さんの両親と杉子さんの友人でライター荒木美由樹さんの協力も得て完成させました。

授賞式では、著者杉子の二人の母(実母=主人公ヨキと義母美知子 下の写真)が笑顔でスピーチ。
この様子は25日の沖縄タイムスに掲載されました。


■演劇『あけもどろの空』 3月25日に上演予定

『あけもどろの空』は、23年度八重瀬町平和事業として、演劇になります。

まず3月25日に上演、その後も各学校などで上演するとのこと。

台本がもうできていて、目を通しました。
わかりやすく、コンパクトにまとめてありました。

関東出身である私たちではうまく書けなかった沖縄方言が、
実にいきいきと盛り込まれています。

3月にはまた沖縄だ!!
akemo-jyusyo.jpg

posted by tyouseki at 15:33| Comment(1) | TrackBack(0) | ひまつぶメモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする